大学卒業:漫画系学校の善し悪し1/3
- 2017/03/25
- 21:17
無事大学を卒業できました。
毎年留年しそうになってたのですがなんとかなりました。
私は美術系大学の中でも「マンガ」を専攻する学科に所属してました。
近年のマンガイラストの流行りから「マンガ系の学校に行く!」という
方々、もしくは社会人からマンガを習いに大学に行く方々もいると思いますので
マンガ系大学の、卒業生から見た善し悪しを挙げていこうかと思います。
専門学校と共通する点もあるかと思いますが、大学ですのでご注意を。
最初に要点だけ上げさせて頂きます。
メリット
①バイト生活や仕事しながらよりは絵に割ける時間が多くとれる。
②マンガ系学生はオタク系がかなり多いため気持ちが楽。
③学校側が決めた締切に追われることで最低限は描ける。
④きちんと通っていればOBや先生から仕事を貰えるケースがある。
⑤講演等でプロ作家の演説が聞ける。
デメリット
①時間ができて遊びがちになる。若い子はバイトに溺れることも。
②作家性の違いでの喧嘩や嫉妬など、人間関係がメンドくさい時もある。
③思ったより教授の意見が曖昧だったり極端だったりで扱いが難しい。
④加えて「お金」に関わる話は聞けないし聞いちゃだめ扱い。
⑤学費が私文なので高い。4年間計680~800万円を目処。
メリットとデメリットをピックアップしていきます。
まず一番重いのは
デメリット⑤の学費が高いことでしょう。
芸術系は他私文よりやや高めです。とはいえ武蔵美や多摩美と比べれば幾分かマシな様子。
奨学金で20年月3万の借金をする学生も少なくはありませんでした。
高校生というのは大体が生涯年収や現実的な観測が出来ません(希望的観測で大学に行く)。
マンガ系とだけあって大学のランクは最低ランクであり、就職先も凡である傾向が多く
680~800万の借金は大変重いものであると言っていいでしょう。
そもそも大学にいったからといって漫画家にもなれないし漫画家は儲かりません。
しかしながらお金さえなんとかなればメリット①は大変強いと言えます。
デメリット①とは対を為しますが、絵を上手くなる努力やマンガを考える時間は
学生生活以降中々取れないものです。
プロになったら好き勝手に試行錯誤できる作品制作は中々できません。
4年分の時間を大いに使い画力やマンガ制作の技術力アップに集中できます。
勿論、ある程度遊びながら。精神的にも安定するでしょう。遊びすぎなければ。
デメリット②の対人関係。
私の学校では一般マンガ大正義派が大変多かったです。
私のように1年生の頃からエロマンガ家志望、というのは滅多にいないです。
同人作家になりたい、もしくはエロ作家志望は肩身が狭まかったです。
TwitterやPIXIVなどを観覧していると麻痺しがちですが現在同人作家志望の方が少数派です。
以上は私視点ですが、そもそもマンガ家志望だけあって一人一人我が強い子が多いです。
年を通して付き合うと実力差や漫画に対する考え方等で揉める、対立することが多々あります。
「お互いを高め合うマンガ家志望の友人」…と書くだけ簡単。
マンガに対する考え方やネットに絵を上げるべきかどうか…コミティアに出すか持ち込みにいくのか…etc
それらの考え方の違いが浮き彫りになり、いつしか性格を否定し合うこともままあります。
あいつは描かないやつだは上等文句です。
あいつは描かなくなったなも、上等文句です。
しかし、付き合っていけば分かり合えるとは思います。
学校で作る友人関係というものは一生もので、分からないことや悩み事を相談できる
相手を作る機会は社会人になってから、マンガ家になってからは中々ありません。
デメリット③と④は、大変長くなるため別項にて纏めます。
簡単に説明致しますと
マンガ家は編集者と二人三脚であるのに教授という存在は必要なのか?
といった内容です。
学校の教授も愚痴っていましたが
そもそも大学とマンガの相性が悪いとも言われます。
マンガ家になるために学校は必要か?という根本的な問題にもつながりますので
ぜひ読んで頂きたいです。
メリット③は漫画を書くきっかけにはもってこいです。
中学高校のときから書きまくってて入学時から佳作取ってる、壁サークル
といった実力者も少なからず居ますが多数はあまり書いたことない素人当然の人たちです。
複期(1年を通して)で28~32Pといった優しいノルマです。
現実的なことを言いますと幾ら素人でも一年掛けて30P近く書けない人は既に向いていません。
(最初から30Pの内容を纏めるのは難しいので短編3部作などがおすすめです。)
同人作家志望の場合はデメリットともなります。
当然授業ですので二次創作は禁止ですのでサークル活動の妨げになります。
教授によっては同人作品をマンガとして見てくれません。
担当編集なんて付いておらず、何からやっていいか分からない…と右往左往しがちな段階での
締切の設定とある程度の縛り(お話のテーマなど)は助かるでしょう。
一年生は絶対アナログというのはちょっとやりすぎな気もしましたが
同人でデジタルに慣れている作家も一度はアナログで書いてみる、というのは有意義だと思います。
メリット④と⑤はおまけみたいなものですね。
④に補足しておきますと、OBさんに編集者が居たり教授にコネがあったりといったパターンで
実力が高ければOBや教授の元で働けるかもしれません。
連載しているOBは稀ですがそういう人と会えた場合はアシスタントとして入れます。
プロの原稿を手伝うことは非常に勉強になるので大変価値があります。
決して、楽な近道ではありません。
ここまでほぼ箇条書きのように書きました。
正直、教授には悪いですがマンガを習う学校としての意味は少ないと思います。
4年という自由時間を掴むため、マンガを書く友人関係を得るため
が、どうしても主になってしまいます。いや、なってしまいました。
これからもし、マンガ系の大学に進む予定がある方には
学校は補助的なもので結局は本人の努力次第。であることや
習えることは教科書レベルでアシスタントや持ち込みいって編集にマンガを見てもらった方が
ためになる。ことを強くいっておきたいですね。
2/3では「大学とマンガの相性」について学生の視点から纏めていこうと思います。
毎年留年しそうになってたのですがなんとかなりました。
私は美術系大学の中でも「マンガ」を専攻する学科に所属してました。
近年のマンガイラストの流行りから「マンガ系の学校に行く!」という
方々、もしくは社会人からマンガを習いに大学に行く方々もいると思いますので
マンガ系大学の、卒業生から見た善し悪しを挙げていこうかと思います。
専門学校と共通する点もあるかと思いますが、大学ですのでご注意を。
最初に要点だけ上げさせて頂きます。
メリット
①バイト生活や仕事しながらよりは絵に割ける時間が多くとれる。
②マンガ系学生はオタク系がかなり多いため気持ちが楽。
③学校側が決めた締切に追われることで最低限は描ける。
④きちんと通っていればOBや先生から仕事を貰えるケースがある。
⑤講演等でプロ作家の演説が聞ける。
デメリット
①時間ができて遊びがちになる。若い子はバイトに溺れることも。
②作家性の違いでの喧嘩や嫉妬など、人間関係がメンドくさい時もある。
③思ったより教授の意見が曖昧だったり極端だったりで扱いが難しい。
④加えて「お金」に関わる話は聞けないし聞いちゃだめ扱い。
⑤学費が私文なので高い。4年間計680~800万円を目処。
メリットとデメリットをピックアップしていきます。
まず一番重いのは
デメリット⑤の学費が高いことでしょう。
芸術系は他私文よりやや高めです。とはいえ武蔵美や多摩美と比べれば幾分かマシな様子。
奨学金で20年月3万の借金をする学生も少なくはありませんでした。
高校生というのは大体が生涯年収や現実的な観測が出来ません(希望的観測で大学に行く)。
マンガ系とだけあって大学のランクは最低ランクであり、就職先も凡である傾向が多く
680~800万の借金は大変重いものであると言っていいでしょう。
そもそも大学にいったからといって漫画家にもなれないし漫画家は儲かりません。
しかしながらお金さえなんとかなればメリット①は大変強いと言えます。
デメリット①とは対を為しますが、絵を上手くなる努力やマンガを考える時間は
学生生活以降中々取れないものです。
プロになったら好き勝手に試行錯誤できる作品制作は中々できません。
4年分の時間を大いに使い画力やマンガ制作の技術力アップに集中できます。
勿論、ある程度遊びながら。精神的にも安定するでしょう。遊びすぎなければ。
デメリット②の対人関係。
私の学校では一般マンガ大正義派が大変多かったです。
私のように1年生の頃からエロマンガ家志望、というのは滅多にいないです。
同人作家になりたい、もしくはエロ作家志望は肩身が狭まかったです。
TwitterやPIXIVなどを観覧していると麻痺しがちですが現在同人作家志望の方が少数派です。
以上は私視点ですが、そもそもマンガ家志望だけあって一人一人我が強い子が多いです。
年を通して付き合うと実力差や漫画に対する考え方等で揉める、対立することが多々あります。
「お互いを高め合うマンガ家志望の友人」…と書くだけ簡単。
マンガに対する考え方やネットに絵を上げるべきかどうか…コミティアに出すか持ち込みにいくのか…etc
それらの考え方の違いが浮き彫りになり、いつしか性格を否定し合うこともままあります。
あいつは描かないやつだは上等文句です。
あいつは描かなくなったなも、上等文句です。
しかし、付き合っていけば分かり合えるとは思います。
学校で作る友人関係というものは一生もので、分からないことや悩み事を相談できる
相手を作る機会は社会人になってから、マンガ家になってからは中々ありません。
デメリット③と④は、大変長くなるため別項にて纏めます。
簡単に説明致しますと
マンガ家は編集者と二人三脚であるのに教授という存在は必要なのか?
といった内容です。
学校の教授も愚痴っていましたが
そもそも大学とマンガの相性が悪いとも言われます。
マンガ家になるために学校は必要か?という根本的な問題にもつながりますので
ぜひ読んで頂きたいです。
メリット③は漫画を書くきっかけにはもってこいです。
中学高校のときから書きまくってて入学時から佳作取ってる、壁サークル
といった実力者も少なからず居ますが多数はあまり書いたことない素人当然の人たちです。
複期(1年を通して)で28~32Pといった優しいノルマです。
現実的なことを言いますと幾ら素人でも一年掛けて30P近く書けない人は既に向いていません。
(最初から30Pの内容を纏めるのは難しいので短編3部作などがおすすめです。)
同人作家志望の場合はデメリットともなります。
当然授業ですので二次創作は禁止ですのでサークル活動の妨げになります。
教授によっては同人作品をマンガとして見てくれません。
担当編集なんて付いておらず、何からやっていいか分からない…と右往左往しがちな段階での
締切の設定とある程度の縛り(お話のテーマなど)は助かるでしょう。
一年生は絶対アナログというのはちょっとやりすぎな気もしましたが
同人でデジタルに慣れている作家も一度はアナログで書いてみる、というのは有意義だと思います。
メリット④と⑤はおまけみたいなものですね。
④に補足しておきますと、OBさんに編集者が居たり教授にコネがあったりといったパターンで
実力が高ければOBや教授の元で働けるかもしれません。
連載しているOBは稀ですがそういう人と会えた場合はアシスタントとして入れます。
プロの原稿を手伝うことは非常に勉強になるので大変価値があります。
決して、楽な近道ではありません。
ここまでほぼ箇条書きのように書きました。
正直、教授には悪いですがマンガを習う学校としての意味は少ないと思います。
4年という自由時間を掴むため、マンガを書く友人関係を得るため
が、どうしても主になってしまいます。いや、なってしまいました。
これからもし、マンガ系の大学に進む予定がある方には
学校は補助的なもので結局は本人の努力次第。であることや
習えることは教科書レベルでアシスタントや持ち込みいって編集にマンガを見てもらった方が
ためになる。ことを強くいっておきたいですね。
2/3では「大学とマンガの相性」について学生の視点から纏めていこうと思います。